「今週の1on1、何を話そう」
始まる直前になってから議題を探し、結局は近況報告と業務進捗の確認で終わってしまう。多くのチームで起きていることです。
問題は、議題を思いつく力ではありません。議題を毎回ゼロから探しているという進め方のほうにあります。
なぜ「話すことがない」が起きるのか
1on1の議題が出てこないとき、たいていは次のどれかが起きています。
前回の続きが分からない。 記録が残っていないため、毎回リセットされます。前回どんな話をして、何を約束したのかが手元にないと、その場の思いつきに頼るしかありません。
相手の状態を知らないまま席に着いている。 この1〜2週間、その人がどんな作業をして、どこで詰まっていたのか。何も知らない状態からでは、踏み込んだ問いは出てきません。
1on1の目的が共有されていない。 進捗確認の場なのか、キャリアの話をする場なのか、困りごとを拾う場なのか。目的が曖昧だと、無難な話題に流れます。
つまり「話すことがない」のではなく、話す材料が手元に集まっていないだけです。
そのまま使える議題の型
材料が足りないときのために、汎用的に使える型を挙げておきます。すべてを毎回聞く必要はありません。
1. 前回のアクションの確認
前回決めたことがどうなったかから入ります。これがあるだけで、1on1が単発の面談から継続的な対話に変わります。
- 前回決めた「やってみること」は進みましたか
- やってみて、どうでしたか
- 進まなかったとしたら、何が障害になっていますか
進まなかったことを責めないのが前提です。障害を一緒に取り除くための確認だと伝わっていないと、次から報告が正直でなくなります。
2. いま一番時間を使っていること
抽象的に「調子はどう?」と聞くより、具体的な事実から入るほうが答えやすくなります。
- いま一番時間を使っている作業は何ですか
- その配分は、自分として納得できていますか
- 手放したい作業、逆に増やしたい作業はありますか
3. 詰まっていること・気になっていること
「困っていることはない?」はほぼ機能しません。「ない」と答えるのが一番コストが低いからです。聞き方を具体的にします。
- 今週、思ったより時間がかかったことはありますか
- 誰かに聞きたかったけれど、聞けなかったことはありますか
- ちょっと引っかかっているけど、言うほどでもないと思っていることはありますか
3つ目が特に効きます。「言うほどでもない」と本人が判断して飲み込んでいることの中に、早く拾うべき兆候が混ざっています。
4. 少し先の話
毎回である必要はありませんが、月に一度は入れておきたい観点です。
- 半年後、どんなことができるようになっていたいですか
- いまの仕事で、もっとやってみたい領域はありますか
- 逆に、このままだと不安に感じていることはありますか
議題を「探さない」状態をつくる
型を用意しても、材料が集まっていなければ話は深まりません。1on1を続けるうえで効くのは、話す前から材料が溜まっている状態をつくることです。
具体的には次の3つです。
日々の振り返りを記録に残す。 その日の作業と気づきを短くでも記録しておくと、2週間分をまとめて見返したときに傾向が見えてきます。「先週から同じところで止まっているな」といった気づきが、そのまま議題になります。
コンディションを定期的に測る。 状態や満足度を数値で記録しておくと、言葉になる前の変化を拾えます。数値が下がったタイミングは、それ自体が話すべき理由になります。
1on1の記録を残す。 話した内容と決めたアクションを残しておけば、次回は「前回の続き」から始められます。これだけで議題探しの半分は不要になります。
IELUKAでは、この3つを同じ場所に置いたうえで、1on1の議題をAIが提案する仕組みを用意しています。過去のコンディション・振り返り・作業履歴をもとに、話すとよさそうな論点が自動で並ぶため、「何を話そう」から始まりません。
まとめ
1on1で話すことがないのは、議題を考える力の問題ではなく、材料が手元にない状態で臨んでいるからです。
- 前回のアクション確認から入ると、対話が継続する
- 「困っていることはない?」ではなく、具体的な聞き方に変える
- 日々の記録・コンディション・1on1の記録を残しておけば、議題は探さなくても出てくる
1on1そのものを頑張るより、1on1までの2週間に材料が溜まる仕組みを整えるほうが、結果的に対話の質は上がります。
チーム全体でこの流れをつくりたい場合は、チームリーダー・マネージャーの活用シーンもあわせてご覧ください。